「最善の防御は攻撃」—ダーリン作戦の結末
韓国SBS金土ドラマ『私と結婚してくれませんか？』（原題：우주메리미／英題：Would You Marry Me?）は、豪華マンションを景品として手に入れるため、90日間の「偽装夫婦」契約を結んだ男女が繰り広げるロマンティックコメディです。第4話は10月中旬の週末、21時50分にSBSで放送され、放送後にDisney+で独占配信されました。ニールセンコリアの調査によると同話は全国5.6％、首都圏6.0％、最高8.9％という視聴率を記録し、2049ターゲット視聴率でも平均1.7％、最高2.78％と好調を維持しました。第4話では、偽装夫婦の二人が隣人の疑いをかわすためにさらにラブラブな演技を披露する一方、幼少期から結ばれた運命と元婚約者の登場が明かされ、大きな波乱を予感させます。
あらすじ（ネタバレあり）
新婚ハウスに引っ越したウジュとメリは、隣人でボーテ百貨店常務ペク・サンヒョンに結婚の真偽を疑われる。二人は危機を乗り切るため、「ダーリン」と呼び合いながら密着するなどあえて仲の良さをアピールし、メリは「最善の防御は攻撃」と語ってサンヒョンの疑念を晴らそうと大胆な演技を見せた。ウジュはそんなメリの髪をやさしくなで、まるで本当の夫婦のような二人の姿が視聴者をキュンとさせた。
一方、二人は百貨店代表の訪問に備えて新居にウェディング写真を飾り、カップルアイテムで部屋をコーディネートした。メリは元婚約者との破局を後悔し「どうしてあんなに全部与えて心のかけらも残さなかったんだろう」と漏らした。ウジュは彼女を励まし、「これからは、メリさんの心を当然と思わないいい人に出会えますよ」と静かに慰めた。彼はまた、メリの母ヨンスクが娘の破談を知って落胆した際に自ら運転して送り届け、丁寧に気遣った。ウジュの誠実な言葉に勇気づけられたメリは母に電話し、自分が豪華新婚住宅の当選者であることを打ち明けた。
物語が進む中、ウジュは車の中でメリの母の財布を見つけ、その中に古い写真を発見した。その瞬間、「ときに、必死に捜していたものが近くにあることに気づく」というウジュの心の声とともに、かつて両親を交通事故で失った少年ウジュを慰めてくれた少女がメリであったという真実が明らかになった。幼いメリは事故現場で泣きじゃくるウジュに駆け寄り、大切にしていたクマのぬいぐるみを渡して彼を慰めた。ウジュは「彼女は知っていただろうか。世の中に一人残された僕に、冷たい風が吹きすさぶとき、あの日、見知らぬ少女がくれた温もりで少しだけ平穏を取り戻していたことを。僕の代わりに泣いてくれた人。いつか会えたら、ありがとうと伝えたかった」と胸の内で語り、メリこそが自分を救ってくれた少女だと悟った。この発見こそが、ウジュが偽装結婚に積極的に臨むようになった理由だった。
第4話のラストでは、メリのスマートフォンに「僕だよ、元気にしてた？」という電話がかかってきた。相手はメリの元婚約者キム・ウジュ（ソ・ボムジュン）であり、二人の関係に新たな波乱を呼び起こすことが示唆された。次回はこの元婚約者の登場によって偽装夫婦の運命が大きく揺れることが予告されている。
登場人物の動きと関係性
キム・ウジュ（チェ・ウシク） – 表向きはクールな経営者だが、メリを放っておけない優しさを持つ。隣人のサンヒョンに対する“ラブラブ演技”ではメリの髪をなでるなど自然にスキンシップし、母親やメリの気持ちを思いやる姿が描かれた。幼少期に慰めてもらった少女がメリだったことを知り、彼女を守ろうと決意する。
ユ・メリ（チョン・ソミン） – 賢く行動力のある女性だ。疑い深い隣人の目を欺くために「ダーリン」と呼び合い大胆なスキンシップを仕掛け、「最善の防御は攻撃」と自ら語る。過去の恋愛を後悔している一方で、ウジュの優しさに少しずつ心を開いていく。
ペク・サンヒョン（ペ・ナラ） – ボーテ百貨店の常務で、新婚ハウスの隣人。二人の偽装結婚を疑い、突然の訪問でラブラブ演技を引き出した人物である。彼の存在が二人を団結させる要因になっている。
メリの母オ・ヨンスク（ユン・ボギン） – 娘の破談にショックを受けるが、ウジュの優しさに触れ、娘と向き合う勇気を取り戻す。彼女の財布に入っていた一枚の写真が、幼少期の真実を明らかにする鍵となった。
キム・ウジュ（ソ・ボムジュン） – メリの元婚約者で法的には夫。第4話の終盤に電話だけで登場し、二人の関係に波紋を広げることが示唆された。
名シーン＆印象的なセリフ
「ダーリン」コールと恋人アピール – サンヒョンの疑いを払拭するため、ウジュとメリが互いを「ダーリン」と呼び合い、手をつないだり髪をなでたりするシーンは笑顔とドキドキが同時に味わえる名場面である。メリが「最善の防御は攻撃」と言いながら積極的にアプローチする姿も印象的だった。
ウジュの優しい一言 – 過去の恋を悔やむメリに対し、ウジュは「これからは、メリさんの心を当然と思わないいい人に出会えますよ」と柔らかい口調で励ました。このセリフは、彼の思いやりと二人の距離の近さを象徴している。
幼少期の記憶と内なる独白 – ウジュは写真を見つけた瞬間、幼少期の記憶とともに「彼女は知っていただろうか…僕の代わりに泣いてくれた人。いつか会えたら、ありがとうと伝えたかった」と心の中で語る。この内なる独白は、二人が運命で結ばれていたことを観る者に強く印象づけた。
運命をつなぐクマのぬいぐるみ
第4話の核心は、ウジュとメリが幼い頃から互いに深く関わっていた事実にあります。交通事故で両親を亡くし一人ぼっちになった少年ウジュを慰めた少女は、実はメリだったのです。少女メリは涙を流すウジュに大切にしていたクマのぬいぐるみを差し出し、彼の悲しみを受け止めました。ドラマではこのぬいぐるみが大人になったウジュの手元にも残り、彼が長年抱えてきたトラウマと癒やしの象徴となります。韓国ドラマではぬいぐるみや人形が「心の寄りどころ」や「運命の手がかり」として登場することが多く、二人の運命をつなぐアイテムとして物語に深みを与えています。視聴者は、クマのぬいぐるみがやがて二人の絆を象徴するアイテムとして使われるのではないかと期待を寄せています。
感想・考察
第4話は、偽装夫婦の「ビジネス関係」が大きく揺らぎ始める回でした。隣人の疑惑をかわすために“ダーリン”と呼び合い、ラブラブな姿を見せる二人の演技は微笑ましくもあり、少し照れくさい気持ちにさせられました。特にメリが「最善の防御は攻撃」と宣言してからはウジュも自然と役になりきり、視聴者としては二人の息ぴったりの掛け合いに思わず笑みがこぼれました。
一方で、ウジュの心の中にある痛みや優しさも丁寧に描かれていました。過去の恋を後悔するメリに対し、彼が静かに慰め励ますシーンでは、単なる偽装関係を超えた誠実な人柄が伝わってきます。また、ヨンスクのことを気遣う姿や、メリの母親の財布から幼い頃の写真を発見したシーンは、ウジュがいかに周囲を思いやる人物かを示していました。幼少期の記憶とクマのぬいぐるみの回想シーンは、ロマンチックコメディという枠を越えてヒューマンドラマの要素を感じさせ、とても胸に残りました。
最後の電話の場面では、メリの元婚約者の声が響き、これまで築き上げてきた偽装夫婦のバランスが揺らぐ予感がしました。今後、元婚約者がどのように物語に介入し、ウジュとメリの関係にどう影響するのかが気になります。ただ、本作はサスペンス要素とロマンチック要素のバランスが絶妙であり、今後も二人の成長と絆の深まりを見守りたいと思います。
まとめ
第4話は、疑われながらもラブラブ演技で危機を乗り越えるコメディ要素と、幼少期の真実が明らかになるドラマ要素が巧みに融合していました。視聴率は5.6％と前回よりやや下降したものの、最高8.9％を記録し、2049ターゲット視聴率も好調で人気の高さを示しています。そして、ウジュが偽装結婚に積極的に臨む本当の理由が明らかになり、彼の優しさとメリへの思いがより強く伝わってきました。
今後は元婚約者の登場により三角関係が生まれるのか、また幼少期の縁がどのように二人の運命を導いていくのかが注目されます。視聴者としては、ウジュとメリが互いの過去を受け入れながら本当の夫婦へと歩み寄る姿を楽しみにしています。次回以降の展開も引き続き丁寧に追いかけていきましょう。
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