国家事業の逆転入札と、燃え上がる倉庫の中で問われる
IMF危機の余波が残る1997年、テプン商事は国家プロジェクト「希望の草原」入札にすべてを賭けることになります。大企業ピョ商船との真正面からの価格勝負、マレーシア工場との駆け引き、そしてようやく掴んだ“勝利”のあとに待っていたのは、炎に包まれた倉庫と愛する人の危機でした。仕事と恋、家族と責任——テプンが守りたい「いちばん大切なもの」が、火の中で試される第12話です。
あらすじ(ネタバレあり)

ナムモの回想と母の思い – 物語はナムモ(ヨ・ウィジュ)の兵役時代の回想から始まる。母ウンニョは面会に訪れ、ナムモにとって母が最も大切な存在だったことがナレーションで語られる。現代に戻るとウンニョはナムモの部屋で恋人ミホとの写真を見つけ、彼女はふさわしくない相手だと釘を刺す。
手術用手袋の不足と入札準備 – テプン商事では、調達庁の「希望の草原」プロジェクトに必要な手術用手袋の供給について話し合いが行われる。マジンは“ブレイズ・イーグルス”という唯一の製造業者が価格を独占しているため、通常のルートでは利益が出せないと説明する。テプンはナムモの助言を受け、直接マレーシアの工場に交渉する作戦を思いつき、ソンジュンを現地に派遣する。しかし先方はすでに工場を移転し、今は枕を作り始めていることが判明する。
競争入札とテレグラムの暗号 – 入札当日、テプン商事の一行は、マレーシアからの連絡が届くまで必死に時間稼ぎをする。テプンは入札用紙の提出期限を15分延長してもらい、ギリギリのところでソンジュンから電報を受け取る。電報には「5111, 40, Ok」とだけ書かれており、これは工場に残る5,111箱の手袋を40%値引きで購入できるという意味だったと後に明かされる。この破格の調達条件のおかげでテプン商事は最安値で応札し、見事入札に勝利する。
祝福と問いかけ – 勝利後、テプンとミソンは二人きりでささやかな祝いをする。テプンが「一番大切なものは何か」と尋ねると、ミソンは「明日よ。明日があるから生きていける」と答える。テプンの答えは秘密のままだが、二人の距離はまた一歩縮まった。
親子の衝突と借用証書の存在 – 一方、ウンニョはミホに自分の正体を明かし、ナムモと別れるよう求める。ナムモは怒って母を非難し、ミホを連れてその場を去る。そのころピョ商船ではヒョンジュンが入札敗北で父ピョ・バッコに叱責され、200万ウォンの損失を出したことで米国行きを命じられる。しかしヒョンジュンはカン・テプンを倒すことに執着し、チャ・ソンテクとの会話で借用証書の存在を知る。
炎上する倉庫 – やがてマレーシアから輸送した手袋が到着し、テプンとミソンは倉庫で荷下ろしを行う。テプンが食事を取りに出ると倉庫で火災が発生し、扉が外から施錠されていることにミソンが気付く。戻ってきたテプンは煙に巻かれた倉庫を目撃し、必死に扉を破ってミソンを救出しようと飛び込むところで第12話は終わる。
登場人物の動きと関係性
カン・テプン(イ・ジュノ)
父の遺した小さな貿易会社の社長。ナムモからアドバイスを受け入れ、マレーシアへの直談判で入札を勝ち取る。ミソンに「一番大切なもの」を尋ね、心の距離が近づく。火災の倉庫に飛び込んで彼女を救おうとする。
オ・ミソン(キム・ミナ)
“人間エクセル”と呼ばれる財務担当。入札では細かい利益率表を用意してチームを支える。テプンとの会話で「明日が一番大切」と語り、二人の感情が進展する。火事で倉庫に閉じ込められ危険な目に遭う。
ハ・ナムモ(キム・ミンソク)
テプンの弟分。過去の軍隊で母との絆が強調される。母に恋人ミホを認めてもらえず葛藤し、母と対立する。
ミホ(ヨ・ウィジュ)
ナムモの恋人。ウンニョに反対されるが、ナムモとの関係を続けたいと考える。ウンニョから身を引くよう迫られ傷つく。
パク・ヒョンジュン(ム・ジンソン)
大手ピョ商船の後継者。入札で敗れ父に叱責される。テプン打倒のために執着し、チャ・ソンテクから借用証書の存在を聞き出す。
チャ・ソンテク
ピョ商船の社員で、かつてテプン商事と裏取引をしていた人物。ヒョンジュンに借用証書の情報を漏らし、次の陰謀の伏線を作る。
ウンニョ(キム・ヨンオク)
ナムモの母。ナムモとミホの交際に強く反対し、ミホに身を引くよう迫る。
ソンジュン(キム・ソンイル)
テプンの部下。マレーシアの工場を訪れ、手袋が移転されたことを知りながらも在庫を確保し、電報で“5111, 40, Ok”と知らせる。
名シーン&印象的なセリフ
「5111, 40, Ok」
ソンジュンが送った電報の暗号。5,111箱の手袋を40%割引で確保できるという意味で、入札戦の勝敗を左右した鍵のメッセージ。
「明日が一番大切よ」
入札に勝った後、テプンから何が一番大切かと尋ねられたミソンが答えた言葉。常に未来を見つめる彼女の強さと、明日に希望を託す姿勢を象徴している。
「人間エクセル」
入札に向けて利益率5〜15%の価格表を用意するミソンを仲間がこう称えたシーン。細かい計算と管理の才能が際立つ。
倉庫の扉を破って飛び込むテプン
最後の火災シーン。自分の身を顧みずミソンを救おうとするテプンの姿が強烈な印象を残すクライマックス。
独自モジュール:IMF危機と国際入札のリアリティ
1997年の韓国は財閥の倒産や株価の暴落によって外貨準備高が減少し、政府は11月21日にIMFに救済を要請しました。IMFと合意した金融支援総額は約580億ドルに及びました。ドラマではこうした歴史的背景のもと、資金も人員も乏しい中小企業が国家プロジェクトの入札に挑む姿が描かれています。
IMF危機によって輸入・貿易環境が混乱したため、手術用手袋のような医療用品も供給が不安定になりました。テプン商事がマレーシアの工場から直接仕入れようとする作戦や、電報で暗号をやり取りする様子は、当時の厳しい経済状況を反映しています。国際入札で大企業に立ち向かう姿は、経済危機下で生きる人々の知恵と団結を象徴しており、現代の視聴者にも響くテーマと言えるでしょう。
感想・考察
この第12話は、ビジネスドラマとしての緊張感とロマンスの甘さが絶妙に交錯していました。入札の場面では、残り時間が刻一刻と減っていく中、チーム全員が知恵を絞って時間稼ぎをする様子に手に汗握りました。電報の暗号が示す意味が明らかになり、手術用手袋を大量に仕入れて逆転勝利する流れには爽快感があります。思わず画面の前で息を詰めて見守ってしまった方も多いのではないでしょうか。
一方で、テプンとミソンの関係は、勝利後の静かな祝杯で大きく前進しました。ミソンが「明日が一番大切」と答える場面は、過酷な時代を生き抜く人々の心情を表しており胸に響きます。テプンが返答を伏せたままなのも彼の不器用さを感じさせ、今後どのタイミングで本音を明かすのか、期待が高まりますね。
ナムモとミホの恋は険しい道のりです。ウンニョの反対が予想以上に強く、ナムモが家族と恋人の間で揺れる姿が切なく描かれました。ヒョンジュンが借用証書の存在を知り、物語全体に新たな火種が投げ込まれたことも印象的です。視聴者としては、彼の執着がどこまで暴走するのか、そしてテプンたちがどのように立ち向かうのかを見届けたくなります。
まとめ
第12話は、テプン商事が大企業に勝利するカタルシスと、終盤の火災で次回への不安を煽る構成が秀逸でした。IMF危機の混乱が背景にあるため、一つの入札を勝ち取ることの重みがより強く伝わってきます。社員たちの奮闘ぶりに、思わず肩入れしてしまった方も多いはずです。
また、ミソンとテプンの恋、ナムモとミホの恋が対照的に描かれ、家族の期待や社会的なプレッシャーが若者たちの選択を左右する様子が印象に残ります。次回、ナムモは母の反対をどう乗り越えるのか。ミソンとテプンの関係はさらに深まるのか。視聴者として見守りたくなるポイントがいくつも散りばめられていました。
最後に、倉庫の火災はヒョンジュンの陰謀なのか、それとも別の人物の仕業なのかが気になります。テプンは無事にミソンを救い出せるのか。この緊迫した引きで終わったことで、第13話を早く見たくなってしまったのではないでしょうか。一緒にこの先の展開を追いかけていきたいエピソードです。
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