会社を救え、愛に応えろ——“あなたと私”が未来をつくる。
1997年のIMF通貨危機に揺れるソウルを舞台に、父から譲り受けた倒産寸前の貿易会社を立て直す新米社長カン・テプン(イ・ジュノ)の奮闘を描く『テプン商事』。第10話「あなたと私」は2025年11月9日にtvNで放送され、全国平均視聴率9.4%、最高10.6%を記録して自己最高を更新し、首都圏でも最高10.9%をたたき出した。本話では、タイでの危機を乗り越えて帰国したテプン商事の面々が資金難に直面しながらも再出発を誓い、テプンとオ・ミソン(キム・ミナ)の関係が大きく動き出す。
あらすじ (ネタバレあり)

港では、賄賂事件の無実を証明したテプンたちが、ヘルメット500個の全量廃棄を阻止するために猛ダッシュを見せる。高速道路が封鎖される中、彼らはバイクとトゥクトゥクを確保して渋滞をかき分けて港へ向かい、フォークリフトの前に飛び出して通関の中断を止めることに成功する。しかし、過酷な環境にさらされたヘルメットの多くはすでに使い物にならなくなっており、無事だったのはわずか140個だけだった。山のように積まれた残骸を前に、オ・ミソンは悔しさと安堵が入り混じった感情を抑えきれず、涙をこぼしてしまう。
コ・マジン(イ・チャンフン)は釈放されたものの、自分のせいで会社に与えた損害を少しでも取り戻すため、あえてタイに残ってヘルメットの販売に走り回る決断を下す。「営業は足で稼ぐものだ」と後輩たちに言い残し、彼なりの責任の取り方と、仲間への信頼が浮き彫りになる。一方ソウルへの帰国を控えた場面で、カン・テプンは社員たちに向かって「壁を越えるのは手を取り合うことだ」と語りかけ、チームとしての結束を改めて強めていく。
ソウルに戻ったテプンたちを待っていたのは、口座残高12万ウォンという現実だった。テプンは苦渋の決断として、父カン・ジニョンが使っていた古い事務所を賃貸に出し、友人ワン・ナムモが営む居酒屋の一角を借りて「テプン商事2.0」を立ち上げる。「社長として責任を取るための選択だ」と頭を下げるテプンの姿に、ミソンやペ・ソンジュンら社員たちは心を動かされ、小さなスペースを掃除しながら新しい出発を静かに誓う。
タイを離れる前夜、テプンはミソンに向かって「辛い時や孤独を感じた時、いつもそばにいてくれてありがとう」と率直な感謝の気持ちを伝え、ついに彼女にキスをする。しかし、「付き合おう」という決定的な言葉は口にしないままですべてが終わり、ミソンの心には戸惑いが残る。翌朝の通勤ラッシュでは、混雑する車内でテプンがさりげなく彼女を守るものの、ミソンは彼と目を合わせることができない。恋人とも同僚とも言い切れない、曖昧な関係のまま二人の日常は続いていく。
一方で、ピョ・パクホ(キム・サンホ)は「テプン商事」を手中に収めるための鍵として、ある借用証書を執拗に探していることが明らかになる。彼は元社員チャ・ソンテクを買収し、病室のカン・ジニョンに「どこにあるんだ?」と詰め寄る姿を見せるなど、その執念深さを露わにする。同じ頃、テプンもまた父の出納帳を見直す中で、1989年の日付が書かれたページの一部が破り取られていることに気づく。几帳面だった父の性格を知るテプンは、「父が帳簿を破るはずがない」と違和感を覚え、消えた借用証書の行方とパクホの真意が、これからの物語の大きな焦点となっていく。
登場人物 | 第10話の動きと関係性
カン・テプン
賄賂事件の余波で資金難に陥るも、港でヘルメットを守り抜き、帰国後は父の事務所を賃貸に出して「テプン商事2.0」を始動。ミソンとの距離を縮めて初キスを交わすが、告白しないため彼女を戸惑わせる。父の帳簿から破られたページを見つけ、借用証書の謎を追い始める。
オ・ミソン
タイでの危機を乗り越えた後、港でヘルメットを救い出し涙を流す。帰国後は新事務所の立ち上げに尽力し、テプンのキスに戸惑いながらも彼を支え続ける。
コ・マジン
賄賂事件の無実が証明され釈放されるが、損害補填のためタイに残って販売に奔走することを決意。仲間を励まし「営業は足で稼ぐもの」と後輩たちに教える。
ピョ・パクホ
カン・テプンの父が亡くなる直前から借用証書を探し続け、「テプン商事」を手に入れるため陰謀を張り巡らせる。チャ・ソンテクを買収して借用証書の行方を執拗に追い、病室でカン・ジニョンに詰め寄る。
チャ・ソンテク
元社員で、パクホに借用証書の所在を問われ、胸ぐらをつかまれるなど脅迫を受ける。パクホの陰謀の一端を担わされる。
カン・ジニョン
昏睡状態のまま病室にいるが、パクホが「借用証書はどこだ」と問い詰める対象となり、彼の過去と会社の秘密の鍵を握っている。
名シーン&印象的なセリフ
港での疾走とヘルメット救出 – バイクとトゥクトゥクで港へ向かい、フォークリフトの前に立ちはだかってヘルメットを守る場面は手に汗握るアクションシーン。140個だけでも救えたという結果が、チームの努力を象徴する。
“テプン商事2.0”始動の儀式 – 傷だらけの古い事務所に別れを告げ、友人の居酒屋一角に小さな机と看板を置いて再スタートするシーン。テプンが社員たちに深々と頭を下げる姿には、社長としての覚悟がにじむ。
初キスと心のすれ違い – タイの夜、テプンが「辛い時や孤独を感じた時、いつもそばにいてくれてありがとう」と真心を伝えてミソンにキスする場面。だが「付き合おう」の一言がないため、翌朝の通勤ラッシュで彼女は戸惑いを隠せない。キスと恋愛観のずれがリアルに描かれている。
借用証書の謎が動き出す – パクホが病室でカン・ジニョンに「どこにあるんだ…受け取ったのか?」と焦燥に駆られる姿と、チャ・ソンテクの首を絞めながら「俺の借用書はどこだ?」と怒鳴るシーンは鳥肌もの。1989年の破られた帳簿が登場し、過去の秘密へと誘うセリフが印象的だ。
独自モジュール:借用証書と1990年代韓国の負債問題
ドラマで重要な役割を果たす「借用証書」は、当時の韓国社会における負債問題を象徴している。1990年代の韓国では、バブル崩壊とIMF危機により企業や個人の負債が膨らみ、返済不能の借用証書が多く存在した。貸借関係が複雑化し、紙の契約書一枚が家族や会社の運命を左右することも珍しくなかった。第10話でパクホが執拗に探す借用証書は、企業買収の切り札であり、過去の取引の闇を象徴する小道具である。視聴者はこの一枚の紙にどれほどの権力と危険が潜んでいるのかを考えさせられる。ドラマが時代背景に忠実であることを実感できるポイントでもあり、今後の伏線回収が楽しみだ。
感想・考察
第10話は、賄賂事件が収束した後に残されたヘルメットの処理、資金難による事務所移転、テプンとミソンの初キス、そして借用証書の謎という複数の軸が巧みに組み合わされた回でした。視聴率は前回の7.3%から全国平均9.4%・最高10.6%まで大きく伸び、首都圏でも平均9.6%・最高10.9%を記録して同時間帯1位を獲得しています。タイトル「あなたと私」が示す通り、会社という集団の物語でありながら、一人ひとりの感情や関係性にしっかり焦点が当てられている点が印象的です。
港でフォークリフトを止めるシーンはアクション映画さながらで、140個しか守れなかったとしても最後まで諦めない姿勢に胸が熱くなります。豪華なオフィスを手放しながらも、新しい事務所で再スタートを切る姿には、環境よりも「誰と働くか」を大事にしている空気がにじんでいました。また、初キスに至りながらもテプンが「付き合おう」と言わないことで、視聴者としては少しヤキモキしつつも、ミソンの慎重さや二人の価値観のズレがリアルに描かれていて、今後の関係性の変化を見守りたくなる構成になっています。
今後の展開としては、パクホが探し続ける借用証書の正体や、1989年に何が起きたのかが物語の鍵になりそうです。父カン・ジニョンが残した謎をテプンがどう解き明かしていくのか、家族の秘密や裏切りが会社の行方にどのような影響を与えるのかも気になるところでしょう。一方で、テプンとミソンの関係がこのまま曖昧に続くのか、それとも誰かが二人の間に割って入るのかも注目ポイントです。「あなたと私」というタイトルをどう受け止めたか、初キスのシーンに共感したか違和感を覚えたか、そして借用証書の謎についてどんな予想をしているか——こうした視点で振り返ってみると、第10話をより深く味わえるはずです。
まとめ
第10話「あなたと私」では、テプン商事の仲間たちが会社と自分たちの関係性を見つめ直しながら再出発する姿が描かれました。港での奮闘、ヘルメット救出、マジンの決断、社長としての責任を背負うテプン、そして初めてのキスとすれ違う恋心。すべてが“あなたと私”というテーマに収束しており、視聴者に人と人との結びつきの大切さを再認識させてくれます。次回からはいよいよ借用証書の秘密が本格的に動き出し、父の遺産を巡る物語が核心に迫ります。今後の展開から目が離せませんね。
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