通帳手紙が開く“百年大計”、きょうから社員。
花と自由を愛した青年が、父の遺志とともに会社の机に座る。IMF通貨危機が吹き荒れる1997年、カン・テプンは温室を離れテプン商事の“新入社員”となる。第2話は、葬儀場での苦い現実、秘密金庫に残された愛の証、そして父から息子へのメッセージが交錯する。
あらすじ(ネタバレあり)

IMF通貨危機の余波は、カン・ジニョンの葬儀場にも押し寄せる。テプン商事の取引先サップダリ物流のチェ社長が未収金を理由に香典箱を奪おうと騒ぎ、連帯保証まで迫るが、経理のオ・ミソンが契約条項や請求書の発行日、郵便消印まで正確に示して支払期限が残っていることを証明し、場を収める。金が人の死より優先される厳しい現実の中で、彼女の冷静さと矜持が光った。
危機は社員の暮らしも直撃していた。ミソンの妹オ・ミホは航空会社から前例のない採用取り消しを受け、ミソン自身も大学進学を諦めざるを得ない。親友ワン・ナムモの母ウルニョは銀行の副支店長として勤めていたが待機命令で廊下に机を追いやられ、テプン商事でも多くが辞表を出して去り、ミソン、コ・マジン、チャ・ソンテク、ク・ミョングァン、ペ・ソンジュンだけが会社に残った。
父の遺品整理で会社を訪れたカン・テプンは、家族写真の額縁に隠された鍵に気づき、事務室で秘密金庫を発見する。暗証番号「2072」(テプン商事が百年を迎える年)を入力すると、社員一人ひとりと自分名義の通帳が現れ、父ジニョンが毎月三十万ウォンを積み立てながら送信者欄に短い“通帳手紙”を残してきた事実を知る。「結果より重要なのは人だ」「花より香しく、お金より価値がある」——積み重なった言葉に、テプンは父が会社を“百年大計”として仲間を家族のように守ってきた真意を悟る。
そこへ再びチェ社長が押しかけ連帯保証を迫ると、テプンは「自分が責任を負う」と前に出て、資格を問われるや「きょうから社員だ」と宣言。ミソンが用意した入社書類に署名し、花屋に戻るつもりだった心を翻して会社を背負う決意を固める。ミソンは社長の最期の言葉を伝え、「社員 カン・テプン」と記した名刺を手渡し、彼は葬儀でこらえていた涙をこぼしながら父の志を胸に刻む。
翌朝、派手な装いを脱ぎ捨てたスーツ姿のテプンは初出勤し、ミソンとコ・マジンと共にテバン繊維の納品現場へ向かう。ところが事務所は不自然なほど整然とし、書類棚は空で電話線も抜かれている。長年の会社にあるはずの“歳月の痕跡”が見当たらない異様さに、テプンは未収金化の危険を直感し、ミソンに判を押さないよう頼むと、生地を積んだトラックへ全力で駆け出す。納品強行を止めるためアスファルトに身を投げ出して進路を塞ぐと、舞い落ちる花びらの中で、幼い頃に父から聞いた「花は散るのではなく、実を結ぶために最善を尽くしている」という言葉がよみがえり、緊張と希望を同時に残して幕が下りる。
登場人物の動きと関係性
カン・テプン
父の葬儀で現実を突きつけられ、父のオフィスで秘密金庫と通帳手紙を発見。父の遺志を知り、花屋に戻る予定を変えてテプン商事の“社員”となることを決意し、初出勤で取引先のトラックを身を挺して止める。
オ・ミソン
経理担当として葬儀場で取引先の無礼を制止し、秘密金庫の存在を示唆。テプンに入社書類を渡し、「テプンはうまくできるよ」と励ます。第2話でも彼のメンターとして行動し、取引先の不審を共有する。
ワン・ナムモ
テプンの親友。母が銀行で待機命令を受け厳しい現実に直面する。テプンに秘密金庫の話を打ち明けられ、「秘密なら墓場まで持って行け」と冗談を言う場面もある。
コ・マジン
営業課長。残った数少ない社員の一人としてミソンとともにテバン繊維の納品現場へ行くが、状況を見極められずトラックを進ませようとし、テプンに阻止される。
サップダリ物流のチェ社長
テプン商事の取引先。未収金を理由に香典箱を奪おうとするなど強硬な態度をとり、後任代表の就任を迫る。テプンが「きょうから社員」と宣言した直接の契機となる。
名シーン&印象的なセリフ
「自分が責任を負う…きょうから社員」——テプンは父のオフィスで再び未収金を要求するチェ社長に対し、自ら責任を負って会社を守ると宣言。ミソンが用意した入社書類に記入し、自らを「きょうから社員」と名乗った。
「父は君の夢を応援する。君はいつも私が一番愛する人だ。結果より重要なのは人だ。私たちが花より香り高く、お金より価値がある」——秘密金庫の中の通帳に残されていたジニョンからテプンへの“通帳手紙”。父の真心と人生観が凝縮された一節。
「テプンはうまくできるよ。お願い」——ミソンが社長の遺志を伝え、テプンの手を握って励ますシーン。彼に名刺を渡し、真の社員としての道を示す。
時系列タイムライン
葬儀場
未収金を理由に香典箱を奪おうとする取引先チェ社長をミソンが論理で制止。
遺品整理
テプンが父のオフィスを訪れ、家族写真の裏から鍵を見つけ秘密金庫と通帳手紙を発見。
決意の瞬間
再び迫るチェ社長に対し、テプンが「自分が責任を負う」と宣言。入社書類にサインして「きょうから社員」と名乗る。
初出勤
ミソンから名刺を受け取ったテプンがスーツ姿で初出勤。ミソンとマジンと共にテバン繊維へ向かうが、異様な雰囲気に危険を察知し、トラックを身を挺して止める。
感想・考察
第2話は、IMF危機が個人の生活と会社の運命にどう影響したかを見せつける重厚なエピソードでしたね。葬儀場で香典を巡る騒ぎを見ながら、「お金が全て」になってしまう社会の悲しい現実を突き付けられました。その中で契約書の細部まで覚えているミソンが活躍し、頼もしさが際立ちました。
父が残した秘密金庫と通帳手紙は涙を誘う場面でした。通帳の送信者欄に月々の励ましを残すなんて、なんて温かい父親なのでしょう。「私たちが花より香り高く、お金より価値がある」という言葉に、ジニョンの人柄と価値観が凝縮されています。テプンがこのメッセージを胸に抱いて成長していく過程に期待が高まります。
また、テプンが「きょうから社員」と宣言するシーンには胸が熱くなりました。自分の夢である花屋を一旦置き、父の会社と社員を守るために踏み出す姿は、親から子へのバトンを受け取った瞬間です。読者の皆さんは、テプンの決断にどんな想いを持ちましたか?
初出勤でトラックを止めるシーンは映像的にも衝撃的でした。きれいすぎるオフィスや空っぽの書類棚から感じた違和感、そして体を張って社員と会社を守ろうとするテプンの行動。父が言った「花は散るのではなく実を結ぶ」という教えが彼の胸に生きているのだと感じさせてくれました。
第2話では、ミソンとテプンの“商社マンコンビ”も本格始動しました。まだ知らないことが多いテプンにミソンが一つずつ教え、二人の信頼関係が深まっていく様子が微笑ましかったです。これからこの二人がどのように会社の危機を乗り越え、社員たちと家族のような絆を築いていくのか、楽しみにしています。
まとめ
第2話では、IMF危機の余波が日常生活に押し寄せ、父の遺志と秘密金庫が明らかになり、テプンが“社員”として新たな道を歩み始めました。葬儀場での騒動や通帳手紙など、心を揺さぶるシーンが多かったですよね。皆さんはどの場面が一番印象に残りましたか?
今後の物語では、テプンが現場での仕事を学びながら経営危機と向き合い、ミソンや社員たちと共に危機を乗り越えていく姿が描かれるはずです。また、秘密金庫から明かされた通帳がどのように活用されるのか、テバン繊維との取引はどうなるのかも見どころです。次回の展開を一緒に楽しみましょう。
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第1話あらすじ → 韓国ドラマ テプン商事 第1話 あらすじネタバレ
第3話あらすじ → 準備中
登場人物のまとめ → 韓国ドラマ テプン商事キャスト&相関図
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