限られた時間の中で――愛と記憶が紡ぐ、家族の物語
アジア通貨危機が家族の暮らしを直撃し、人生の舵が切り直される第13話。クムミョンとチュンソプの再会は、静かな愛の始まりでした。一方、ウンミョンとヒョンスクの間には新しい命が生まれ、親たちの葛藤と和解のドラマも展開します。泣き笑いとともに描かれる家族の絆と、時を超えて届く想いに心が揺さぶられる回です。※ネタバレを含みますのでご注意ください。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

1997年、アジア通貨危機が韓国を直撃し、クムミョンが勤めていた大企業も例外ではなかった。突如解雇され、再就職もままならず、彼女はかつてアルバイトをしていたカンヌ劇場を訪れる。そこで偶然、学生時代の友人パク・チュンソプと再会する。ふたりは同じ映画を観ていたが、上映後、チュンソプはバスに乗り込むクムミョンを見つけ、走って追いかけてバスに飛び乗った。
その晩、ふたりは酒を酌み交わし、自然な流れで距離を縮めていく。現在は美術教師をしているというチュンソプは、不器用ながらも真っ直ぐな想いを伝え、ふたりは恋人同士となった。
やがてクムミョンはチュンソプを家族に紹介する。父グァンシクは、寡黙で船酔いしがちなチュンソプに対して最初は警戒を抱いていた。釣り船に乗せてもすぐに酔ってしまう彼に「こんな男に娘をやれるか」と突き放すが、クムミョンを思いやる姿に心を動かされ、やがて結婚を認める。「義兄さんと呼べ」とウンミョンに告げることで、父としての承認の意思を示した。
そして、クムミョンとチュンソプの結婚式が執り行われる。グァンシクは「結婚式で泣く人間は嫌いだ」と言いながら、誰よりも大きく涙を流す。一方、かつてクムミョンと想いを寄せ合っていたヨンボムは、遠くから花嫁姿をそっと見つめ、何も言わずにその場を去った。
その頃、居候のウンミョンとヒョンスクの間には息子・ジェイルが生まれ、1歳の誕生日を迎えようとしていた。ヒョンスクの母ヨンナンは、こっそりと孫の様子を見に訪れるが、エスンに「いつでも来てください」と迎え入れられ、親子の距離も少しずつ縮まっていく。
👥 登場人物の動きと関係性
- クムミョン:失職後、チュンソプと再会し交際開始。両親に紹介し、結婚式を迎える。
- チュンソプ:美術教師。不器用ながら誠実な性格で、グァンシクに認められる。
- ヤン・グァンシク:最初はチュンソプに厳しく接するが、最終的に結婚を許可。
- オ・エスン:クムミョンの母として式を見届け、感慨にふける。
- ヨンボム:クムミョンの元恋人。黙って彼女の結婚を見届ける。
- ヤン・ウンミョン:ジェイルの父。チョリョンと質屋を始めようとする。
- ヒョンスク:ウンミョンの妻。母ヨンナンとの関係に変化が。
- ヨンナン:ヒョンスクの母。孫の成長を遠くから見守り、少しずつ和解へ。
🎯 名シーンと印象的なセリフ
- クムミョンが乗ったバスをチュンソプが追いかけて:
>「映画館から走って追いかけてきました。死んでも逃しちゃいけない気がして」 - クムミョンの手紙を添えたチュンソプの母からの贈り物:
>「かわいいクムミョンを思い浮かべながら。私はクムミョンのことが大好きです。〝チュンソプの母より〞」 - 結婚を許すグァンシクがウンミョンに言った一言:
>「“義兄さん”と呼べ」 - エスンの複雑な気持ちがにじむ台詞:
>「一度でもクムミョンに、勝てたことがある?諦めてあげて。片思いの人を」 - クムミョンとグァンシクの車中のやりとり:
>「違うと思ったら、バックして戻ってこい。チュンソプが困らせたら、バックしてこい」
🌟 感想・考察
再会と和解、そして旅立ちが巧みに絡み合った回でしたね。クムミョンとチュンソプの恋の行方もさることながら、グァンシクの涙がとても印象的でした。無口で頑固だった彼が、「娘を託す」と決めた瞬間、親の愛情の深さに心が震えました。
また、ヨンナンとエスンのやりとりもじんわりと胸に残りました。世代を超えた和解が少しずつ進み、家族の輪が広がっていく感覚がとても心地よいです。静かだけれど確実に人と人が近づいていく様子に、「家族っていいな」と改めて感じさせられました。
📂 まとめ
クムミョンの結婚を中心に、さまざまな家族の想いが交錯する感動的な回でしたね。あのバスを追いかけるシーンや、グァンシクの涙、ヨンボムの背中…。それぞれが心に残る名場面でした。
きっと誰にでも「片思い」の記憶はあるもの。だからこそ、この回の静かな感情のうねりに、ぐっと引き込まれてしまいます。次回はさらに家族のかたちが変化していく予感。ぜひ見逃さずに追いかけてくださいね。
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