笑顔の奥にあるもの――日常に忍び寄る静かな異変
破談から立ち直れずにいたクムミョンは、有給を使って済州島の実家に戻ってきます。温かく迎える両親のもと、少しずつ笑顔を取り戻していく彼女。そして、祖母との再会、兵役から帰った弟、思いがけぬ訪問者との出会い──別れが続いた家族に、新たな希望が静かに芽吹く第12話。ネタバレを含みますのでご注意ください。
🎬 あらすじ

有給休暇を取り、突然済州に戻ってきたクムミョンを、エスンとグァンシクは手料理で迎える。うずらの卵の殻をむき、大根キムチを二種類用意し、娘のために尽くす両親。その姿を見て、クムミョンは「私を100グラムたりとも消さないようにしてくれた」と心の中で語る。
早朝、父・グァンシクはクムミョンを漁船に乗せて日の出を見に行く。「父さんが親でよかった」と涙をこぼす娘に、父は「一度もつらいと思ったことはない」と穏やかに返す。親子は言葉を交わしながら、静かに心を通わせていく。
一方、エスンは祖母チュノクの誕生日祝いへ。認知症の進んだチュノクは誰のこともわからなくなっていたが、エスンのことだけは「ハンギュの娘」と呼び、記憶を取り戻す。息子を亡くした苦しみを共有する2人。エスンは祖母の膝に顔を埋めて泣いた。
祖母チュノクはまもなく亡くなり、エスンは「別ればかりで、出会いがない」と胸のうちを語る。そんな中、兵役を終えたウンミョンが帰ってくる。荷物の多さに驚くエスン。そこには妊娠したヒョンスクの姿もあり、家族は衝撃を受ける。
その頃、ソウルに戻るクムミョンが乗ったバスを、軍服姿のパク・チュンソプが走って追いかける──新たな出会いの気配が漂い始めていた。
👥 登場人物の動きと関係性
- クムミョン:破談の傷を抱えたまま済州に帰省。両親との時間で心の傷を癒していく。
- エスン:娘の選択を尊重し、祖母との別れに涙する。
- グァンシク:漁船に娘を乗せ、言葉少なに愛を伝える父の姿。
- チュノク(祖母):認知症の中、エスンだけを覚えていた。誕生日を迎えた後、息子の元へ旅立つ。
- ウンミョン:兵役を終え帰郷。ヒョンスクの妊娠という新たな命の到来を知らせる。
- ヒョンスク:ウンミョンの恋人として共に帰郷し、家族に驚きをもたらす。
- パク・チュンソプ:ソウルで再登場。バスを追いかける姿に、クムミョンとの再会の予感。
🎯 名シーンと印象的なセリフ
- 漁船の父と娘
「来世では親にならないで。父さんが苦労するから」
「そんな…楽しいよ。つらいことはなかった。一度も」
→ クムミョンの涙と、父の静かな愛が響き合う夜明けのシーン。 - 祖母チュノクとエスン
「ハンギュの娘よ。苦しいの?生活がつらいの?」
→ 息子を亡くした2人の心が通い合う、涙の再会。 - 母と娘の沈黙と心配
「昔は私だけには何でも言ってくれたのに。今は私だけには内緒。裏切り者め」
→ 成長した娘への複雑な思いが滲む、母の本音。 - 兵役から帰ったウンミョンとヒョンスク
「二人ともジジババだぞ。“一発ちゃん”だ」
→ 妊娠発覚とともに、家族の新たなステージが始まる瞬間。 - 父グァンシクと祖母グァンネの記憶を重ねるエスン
「具をよそったクムミョンを見て、昔の自分を思い出した」
→ 母から娘へ、記憶と愛が静かに受け継がれる場面。
🌟 感想・考察
別れと再生が交差する非常に静かな回でしたね。クムミョンの涙、エスンの不安、グァンシクの沈黙、どれもが家族の“言葉にならない愛”を描いていた気がします。
チュノク祖母との再会、そして別れ。祖母が「ハンギュの娘」と呼んだ瞬間、エスンの涙に思わずこちらももらい泣きしそうになりました。
兵役から帰ってきたウンミョンが、新たな命の報告をする場面では、一家の歴史がまた一歩進む予感がしました。
そして最後のチュンソプの登場…新しい春は、すぐそこに来ているのかもしれません。
📂 まとめ
別れが続く季節の中で、家族の中にほんの少しの“再生の芽”が見えた第12話。クムミョンの再出発と、ウンミョンとヒョンスクの命の知らせ、そしてソウルでの新たな再会の気配──物語は確実に次の段階へと向かっています。
エスンとグァンシクの静かな愛情表現も、改めて深く心に残りました。
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