抱えきれない心――叫びと沈黙が交差する夜
第10話では、ソウルで一人暮らすクムミョンに異変が起こり、エスンの母としての直感が彼女を救います。ウンミョンの恋や反抗期、チュンソプ母の思い、そしてヨンボムとの関係など、複雑な人間模様が絡み合う回となりました。親が子を案じ、子が親の重みを受け止める、そんな“絆のかたち”が丁寧に描かれます。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

ウンミョンはサンギルの息子たちに「妹と別れろ」と脅され、殴られた。彼はヒョンスクに別れを告げようとするが、互いに離れがたく、結局そのまま関係を続けることになる。
一方、クムミョンはヨンボムの誕生日に彼の家を訪れるが、そこには母親もいた。ヨンボムの母はクムミョンの貧しさを露骨に嫌悪し、冷たい態度で接した。
クムミョンがアルバイトする劇場には、毎日のように看板を見に来る中年女性がいた。彼女はチュンソプの母親で、息子の描いた絵を静かに見守っていた。クムミョンはチケットをプレゼントし、チュンソプの母は心から感謝した。
その後、クムミョンとチュンソプは一緒に食事をし、心の距離が縮まっていく。
そんなある日、エスンは再び悪夢を見る。亡くなった息子・ドンミョンの夢だった。胸騒ぎがした彼女は、急いでソウルのクムミョンの下宿先に駆けつける。
部屋の中にはガスが充満しており、クムミョンは意識を失っていた。駆けつけたチュンソプとエスンによって病院へ搬送され、命は助かった。
済州島では、エスンが反抗期真っ只中のウンミョンに頭を悩ませていた。タバコを売っていたことが発覚し、海女のチュンスたちから「何のために金が必要なのか、息子の本心を聞くべきだ」と諭される。
親子のすれ違いが描かれる一方、クムミョンは“心配されることの意味”を理解し始めていた。母の心配が、何度も自分を救ってくれていたのだと気づき、心に深く刻まれていく。
👥 登場人物の動きと関係性
- オ・エスン:悪夢に導かれてクムミョンの命を救う。ウンミョンへの接し方に悩む。
- ヤン・グァンシク:エスンと共にクムミョンを見守る。
- オ・クムミョン:ガス事故に遭うが母の直感で救われる。チュンソプやヨンボムとの関係に揺れる。
- オ・ウンミョン:ヒョンスクとの関係を家族に隠しつつ続けている。金を稼ぐ目的が明かされていない。
- チュンソプ:クムミョンに惹かれている。母との関係も丁寧に描かれる。
- チュンソプの母:息子の描いた看板を誇りに思い、クムミョンに感謝を伝える。
- パク・ヨンボム:クムミョンとの再会。母の態度が交際に影を落とす。
🎯 名シーンと印象的なセリフ
- 「添い遂げて─末路を見届けてやるわ」
― サンギルと妻の間で交わされる重たい決意。 - 「親をハラハラさせ続けたのに、迷惑そうにしたことを、ひどく後悔した」
― クムミョンが母の心配を“救い”として受け入れる瞬間。 - 「表面的には平気そうに見えても、心の中では傷を負うもんなんだ。子供たちは全部覚えてるよ」
― 海女のチュンスの言葉が、エスンの胸に刺さる。 - 「彼の生活が心配で泣いた?それは親心だ」
― クムミョンとチュンソプの間に生まれる理解。
🌟 感想・考察
“親の心配”が物語の大きな柱となっています。エスンが何度も見る悪夢は単なる偶然ではなく、母としての直感と愛情の強さを象徴していました。娘の危機を察知し、迷わず駆けつける姿は、視聴者の心を強く打ちます。
また、親の不安や心配を疎ましく感じるクムミョンが、徐々にその意味を理解していく描写は、非常にリアルでした。親と子の距離感、言葉にしない想い、それらがじわじわと交差するこの回は、“母と娘”というテーマを再確認させてくれるエピソードだったと言えるでしょう。
一方、チュンソプと母の関係も、また違った形での“親子の絆”を提示しており、多層的な家族ドラマとしての深みが出ていました。
📂 まとめ
母エスンの直感による奇跡のような救出劇と、クムミョンが母の想いに気づく過程が感動的に描かれました。反抗期を迎えたウンミョンの抱える葛藤や、若者たちの恋模様など、多くの心の交錯が詰まった回です。次回、家族それぞれがどのように成長していくのか、ますます目が離せません。
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