📝 双子の選択、人生の境界線を越えるとき
韓国ドラマ『未知のソウル』第1話では、正反対の人生を歩む双子の姉妹が、運命を大きく揺るがす「ある約束」に辿り着きます。家庭の事情、職場の苦悩、そして人生の行き止まり——そんな崖っぷちに立つ姉妹が出した決断とは?ドラマの幕開けにふさわしい、濃密なヒューマンストーリーが展開される。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

ユ・ミジとユ・ミレは一卵性双生児。父を早くに亡くし、母と祖母に育てられました。祖母は現在、脳梗塞で療養所に入っている。
ミレは頭脳明晰で金融管理会社に勤め、健康とは裏腹に精神的に追い詰められながら毎日を過ごしています。一方のミジは勉強が苦手な健康体。学生時代は陸上で何度も優勝するも、ある大会でのケガを機に競技をやめ、今はバイトを転々としながら祖母を支えている。
ある日、幼なじみで弁護士のイ・ホスが法事で帰郷し、ミジにミレの異変を告げます。ソウルに向かったミジは、ミレの疲弊ぶりと職場での孤立を目の当たりにし、衝撃を受ける。
ベランダから飛び降りようとしたミレをミジが止めようとし、二人は一緒に落下。あらかじめ敷いていた布団のおかげで命に別状はなく、病院でミレの苦悩が語られます。職場で先輩の不正を告発したミレは孤立し、精神的に限界を迎えていた。
「退職してもいい。代わってあげる。昔みたいに」
そう告げたミジ。2人は再び、人生を“交換”する約束を交わす——。
👥 登場人物の動きと関係性
- ユ・ミジ(パク・ボヨン)
陸上を挫折し、家族のために地方で生きる女性。姉ミレの苦悩を知り、再び入れ替わる決意をする。 - ユ・ミレ(パク・ボヨン)
金融管理会社に勤めるエリートだが、上司の不正を内部告発したことで孤立し、精神的に追い込まれている。 - イ・ホス(パク・ジニョン)
高校時代に転校してきた幼なじみ。事故で障害を負いながらも弁護士に。ミレを案じてミジに知らせる役割を果たす。
🎯 名シーン・印象的なセリフ
- 印象的なシーン
ベランダから飛び降りようとするミレと、それを止めようとするミジ。2人が一緒に落ちる瞬間は衝撃的でありながら、美しくも感じられる“人生の転機”として心に刻まれます。 - 印象的なセリフ「退職してもいい。我慢しなくていい。代わってあげる。昔みたいに」
幼いころに小指を絡ませて入れ替わっていた2人。ミジのこの言葉に、強い覚悟と愛情がこもっています。
🌟 感想・考察
第1話を観て一番心に残ったのは、「優しさって、時にとても切ないものだな」ということでした。
ミレは誰にも弱さを見せず、自分の正しさを信じて行動してきた人です。でも、その正しさゆえに孤立し、誰も守ってくれない現実に打ちのめされていた。彼女がカフェで冗談のように「死にたい」と言ったとき、どれだけその言葉の裏に“誰かに気づいてほしい”という思いがあったのかを考えると、胸が詰まるような気持ちになります。
一方のミジは、勉強も得意じゃないし都会の華やかさからも遠い存在です。でも、彼女は人の痛みに気づける力を持っている。どれだけ自分が損をしても、大切な人を見捨てられない。その温かさが、ミレを救ったのだと思います。
そして、忘れてはならないのがホスの存在です。障害を抱えながらも弁護士として活躍する彼は、双子のどちらよりも外の世界を見てきた人間でありながら、誰よりも彼女たちの本質を理解しているように感じました。
この物語は、「誰かの人生を生き直す」というドラマ的な設定を使って、私たちが日々すれ違ってしまう“思いやり”の大切さをそっと教えてくれる気がします。
📂 まとめ
『未知のソウル』第1話は、単なる双子入れ替わりのストーリーではありませんでした。
ここにあるのは、誰かを思う気持ちの強さと、人生に一度だけ許される「逃げ道」への肯定。私たちがどこかで選べなかったもう一つの道、その未完成の地図が“ソウル”という舞台で少しずつ描かれていく——そんな静かな期待を感じさせてくれるエピソードでした。
これからミジとミレがたどる人生がどんなものになるのか、そして彼女たちがどんなふうに変わっていくのか。その旅の始まりとして、これほど強く、優しい第1話はありません。
🔗 関連記事
- 第2話の内容はこちら → 未知のソウル第2話あらすじ
- 登場人物まとめはこちら → 『未知のソウル』登場人物・キャスト一覧
- 全体概要はこちら → 韓国ドラマ『未知のソウル』とは?あらすじ・キャスト・見どころ総まとめ
コメント