嘘の1万ドル、真実のフィルム テプン商事の運命を賭けた48時間。
1997年のIMF通貨危機を背景に、倒産寸前の貿易会社「テプン商事」を引き継いだ青年社長カン・テプン(イ・ジュノ)が奮闘するドラマ『テプン商事』。全国平均視聴率7.3%を記録した第9話(韓国放送日2025年11月8日、tvN)では、従業員のコ・マジンが10,000ドルの賄賂を受け取った疑惑に巻き込まれ、会社が解体寸前に追い込まれる。タイを舞台に、仲間を救うために奔走するテプンとオ・ミソンの姿が描かれ、ロマンスも大きく動きます。
あらすじ(ネタバレあり)

タイの港での通関手続きの最中、コ・マジン(イ・チャンフン)は税関職員に「昼食でも食べてほしい」と50ドルを渡したことがきっかけで、突然拘留されてしまう。当初は罰金程度で済む軽いトラブルと見られていたが、現地職員の証言が「1万ドルを受け取った」という内容にすり替わり、事件は国際賄賂疑惑へと発展する。テプン商事は一気に疑惑の渦中に立たされ、ヘルメットの通関手続きは全面的に中断。48時間以内に潔白を証明できなければ、輸入されたヘルメットはすべて廃棄されるという最悪の条件が突き付けられる。
拘留されたマジンを救うため、カン・テプンとオ・ミソン(キム・ミナ)は留置場を訪ね、「必ず何とかする」と彼を励ます。マジンは二人に「顧客・売上・在庫を守ってほしい」と書かれたメモを託し、その紙切れに会社と仲間への思いを託す。ミソンはその言葉の重さを胸に刻み、何としてもマジンとテプン商事を守ろうと決意する。
二人は状況打開のため、タイの大口取引先である「ニハカムグループ」の本社を訪れ、失った信頼を取り戻す最後のチャンスを求めて直談判する。会長は、賄賂疑惑の渦中にあるテプン商事との取引継続をきっぱりと拒み、冷たい態度を崩さない。しかしその場に同席していた末娘ニチャ(ダビカ・フーネ)は、真摯に頭を下げるテプンの姿に心を動かされる。彼女は父の前では決定を覆せないものの、こっそりとテプンに自分の名刺を渡し、「将来また会いましょう」と、将来の協力をほのめかす小さな希望の種を残す。
その夜、テプンとミソンはタイの夜道を並んで歩きながら、これまで胸にしまってきた不安を打ち明け合う。ミソンは家族のこと、仕事のこと、自分が背負っている責任の重さを吐露し、弱音を見せる。そんな彼女に対しテプンは、「人はいつも良い人ではいられない。でも、オ・ミソンさんは僕が見た中で一番素敵で美しい」と穏やかに語りかける。その言葉にミソンの心は大きく揺さぶられ、二人の距離は一気に縮まっていく。やがて顔を近づけ、唇が触れそうになるが、ミソンは土壇場で一歩引き、初キスは未遂に終わる。甘くもほろ苦い、二人の関係性を象徴する瞬間である。
一方で、ミソンはカン社長の口癖だった「記録は記憶よりも正確だ」という言葉を思い出す。そこで、マジンが港で働いていた姿を捉えた写真が、事件の真相を示す証拠になるのではないかとひらめき、夜を徹して現像を依頼する。ようやく出来上がった写真を手に、裁判所へ向かう途中だったが、トラブルによって写真の束が川に落ちてしまい、現像写真はすべて水の中へと消えてしまう。残されたのは、濡れながらもなんとか守り抜いた一巻のフィルムだけだった。
迎えた裁判当日、証拠を失ったテプンとミソンは絶体絶命の状況に追い込まれる。審理はマジンに圧倒的に不利な流れで進み、検察側は「1万ドルの賄賂」を前提とした主張を重ねていく。そんな中、テプンは最後の賭けに出る。彼は咄嗟の判断で法廷の照明を落とさせ、残されたフィルムを使って壁に港で撮影した映像を投影させる。そこに映し出されたのは、昼間の港でマジンが税関職員にタバコ1カートンを渡す姿と、撮影日時を示すタイムスタンプだった。映像は、問題となっている「夕方の1万ドル授受」が物理的に不可能であったことを示し、証言の矛盾を決定的に暴く。
この映像により、現地職員の証言は完全に信用を失い、マジンが1万ドルの賄賂を受け取ったという主張は崩れ去る。裁判所はマジンの無実を認め、テプン商事にかけられていた国際賄賂事件の疑いも晴れる。こうして会社は全輸入品の廃棄という最悪の事態を免れ、テプンとミソン、そして社員たちは、再び前を向いて歩き出すための大きな一歩を踏み出すことになる。
登場人物の動きと関係性
カン・テプン
会社と仲間を守るため、ミソンと共にマジン救出に奔走。誠実さでニハカムグループの末娘ニチャの心を動かし、裁判ではフィルム投影という機転で逆転勝利を導く。ミソンへの好意を隠さず、未遂ながら初キス寸前まで近づく。
オ・ミソン
マジンを励まし、社長から託された責任の重さに涙する。ニハカムグループへの謝罪や写真現像など、状況打開のために動き続ける。テプンと心を通わせつつも、まだ恋愛より仕事を優先する姿勢を見せる。
コ・マジン
税関職員への謝礼が原因で賄賂容疑をかけられ、拘留される。しかしテプンとミソンの活躍により無実が証明される。ミソンを正式な後輩として認めるメモを残し、彼自身の成長も描かれる。
ニチャ(ニハカムグループ末娘)
父の会長とは対照的にテプンの誠実さに共感し、将来の取引を匂わせる。タイ編のキーパーソンとして今後の展開に影響を与えそう。
カン社長(ソン・ドンイル)
本土に残っているが、「記録は記憶よりも正確だ」という言葉がミソンのひらめきのきっかけとなり、物語の重要な軸となった。
名シーン&印象的なセリフ
- フィルム投影の逆転劇 – 裁判で不利な状況が続く中、テプンがフィルムを壁に映し出し、夕方の賄賂疑惑を覆すシーン。モノクロのフィルムに映るマジンの姿と日付が決定的証拠となり、観客も思わず拍手したくなる名場面。
- テプンの励まし – ミソンが家族の重圧を打ち明けた際、テプンが「人はいつも良い人ではいられない。オ・ミソンさんは僕が見た中で一番素敵で美しい」と告白するシーン。彼の真っ直ぐな言葉と優しい表情が胸に響く。
- マジンのメモ – 拘留中のマジンがミソンに「顧客、売上、在庫を守ってほしい」と託し、自分を“先輩”と記す場面。いつもお調子者だった彼が仲間を信じる姿勢に変わった瞬間である。
- 未遂のキス – 互いの視線が絡み合い、静かに距離を縮めるテプンとミソン。しかしミソンが「今はそんな時じゃない」と押し返し、初キスは未遂に終わる。視聴者の期待と切なさが交錯する名シーン。
独自モジュール:1997年IMF危機と賄賂疑惑
本作の舞台となる1997年は、韓国がIMFの支援を受けた金融危機の真っただ中でした。実際に当時は通貨危機に乗じた横領や賄賂事件が多発し、輸出入業者が検査官に賄賂を渡さなければ通関できないケースもあったと言われます。第9話で描かれた「1万ドル賄賂疑惑」は、その時代背景を色濃く反映しており、テプンたちが腐敗したシステムに真正面から立ち向かう姿勢が強調されました。IMF危機を知らない世代にとってはフィクションのように感じられるかもしれませんが、当時の韓国社会が抱えていた問題に目を向けるきっかけになります。
感想・考察
第9話では、コ・マジンの賄賂疑惑をきっかけにテプン商事が倒産の危機にさらされ、仲間たちが団結して事態の打開に挑む姿が描かれます。視聴率は全国7.319%(首都圏7.860%)と前回よりわずかに下がりつつも、同時間帯1位を維持しており、ビジネスと家族愛を軸にしながら、今回は法廷サスペンス要素が強く押し出された回になっています。
個人的には、タイ編に入ってからテプンとミソンの距離が一気に縮まっていて、毎週見ていてドキドキさせられます。未遂に終わったキスシーンも、「まだ踏み出しきれない」ミソンの心情が丁寧に汲まれていて好印象でした。また、裁判でフィルムを投影して形勢逆転する場面は、ややドラマ的な演出ではあるものの、アナログな証拠で大きな権力に立ち向かう爽快感がありました。テプンが口にする「人はいつも良い人ではいられない」という言葉も、彼自身の未熟さと成長過程を象徴しているように感じられます。
今後については、ニチャがテプンに名刺を渡したことで、ニハカムグループとの再接近や新たなビジネスチャンスが生まれるのかが大きな見どころになりそうです。賄賂疑惑の裏に本当に黒幕がいるのか、そして未遂に終わったキスがいつ「本物」になるのか、ミソンが家庭と仕事の間でどう揺れ動くのかも気になるところです
まとめ
第9話では、コ・マジンを救うためにテプンとミソンがタイで奔走し、賄賂疑惑の真実を暴くまでのスリリングな物語が描かれました。会社を守るために奮闘する姿は、仲間との絆や社会の矛盾に立ち向かう勇気を感じさせます。フィルム投影による逆転劇や未遂のキスといった見どころが満載で、視聴者の心を掴んで離しません。
次回第10話では、二人のロマンスがどう動くのか、そして新たな敵や課題が登場するのかが注目されます。引き続き『テプン商事』の世界を楽しみながら、一緒に考察していきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。
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