タイ出張でセレナーデ、そしてコ・マジン逮捕の衝撃。
「恋と仕事、どちらも“熱”で押し切る。」
1997年IMF危機のただ中、テプンとミソンはヘルメット輸出の足掛かりを求めて初の海外出張へ。タイの夜、社交の場で響くセレナーデが人脈を広げる一方、出張チームには予想外のトラブルが待っていた。放送は2025年11月2日(日)。視聴率は全国平均9%台に乗せ、自己最高を更新した。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

テプンは次の主力商材をヘルメットに定め、ミソン、コ・マジンらと出張チームを編成してタイへ向かう。空港到着後、現地協力者との簡単な打ち合わせで、オートバイ通勤が多い都市部の需要と流通網の癖を確認。テプンは「まずは顔を売る」と方針を示し、正式商談の前に社交の場でネットワークを広げる作戦を取る。
昼は市場視察に充てられる。ミソンは店舗ごとの陳列と価格帯、サイズ在庫の回転を手帳に細かく記し、既存ブランドの強みが“軽さ”と“通気性”に寄っていることを掴む。一方テプンは卸の担当者から、保証体制とアフターサービスの整備が契約条件のカギになると聞き出し、国内の供給スケジュールを逆算して段取り案を組み替える。
夜、現地のクラブで開かれる小規模の交流会に出席したテプンは、緊張のほぐれない空気を察してステージに上がる。歌で会場の視線を集めると、テーブルに戻ってからも冗談交じりに話題をつなぎ、初対面の相手にも自社の“顔”として印象を残す。ミソンは落ち着いたドレスで同席し、会話の節々で具体的な納期や検品体制の話題を補う。テプンはその働きをねぎらい、小さなブレスレットを手渡して感謝を示す。
同じ頃、実務担当のコ・マジンが突発のトラブルに巻き込まれる。外出先での誤解から警察の事情聴取を受け、そのまま拘束という報がチームに届く。ミソンはすぐに状況確認と連絡経路の確保に動き、テプンは会場でつないだ関係者を頼って事態収拾の糸口を探る。交流会は続いているが、二人の表情からは緊張が消えない。
連絡を重ねるうちに、マジンが出張チームの一員であること、暴力や逃走の意図がないことは伝わる。しかし手続きには時間がかかる見込みで、翌日の正式商談に影響が出るのは避けられない。ミソンは予定していた同席者数の削減を即断し、代替資料の配布とオンラインでの補足説明に切り替える案を作る。テプンは相手先の“顔”に礼を尽くしつつ、先ほどの場で得た紹介を伝い、信用を落とさないための説明の順番を整える。
会場を離れた通りで、ミソンは痛めた足首をさすり、ため息をつく。そこへテプンが追いつき、落ち着いた声で「大丈夫だ」と告げる。ミソンは「無茶を重ねないで」と釘を刺しながらも、彼の視線に少しだけ表情を緩める。ふと間が生まれ、テプンは迷いのない口調で想いを明かす。飾りのない一言は、過密な一日の終わりに静かに届き、二人の間に残っていた距離をわずかに縮める。
ホテルに戻ると、テプンはホワイトボード代わりの用紙に翌日の最小構成を描き出す。商談は“安全性の証明”“供給の安定”“初回ロットの価格”の三点に絞り、欠員が出た分は自分が数字説明まで担う段取りだ。ミソンはメールで資料の再送と先方の質問整理を進め、タイムラインのリスケを確定させる。深夜、二人は短くうなずき合い、再度マジンの安否確認を行う。
翌朝に向け、拘束中のマジンの状況は「弁解の余地を認める方向」との連絡が入るが、解放の時刻はまだ読めない。テプンは前夜のセレナーデで築いた空気を無にしないため、約束の時間に会場へ向かう決断をする。移動の車中、ミソンは「仕事を止めない勇気」と「仲間を待つ責任」のせめぎ合いを抱えながら、資料の最終確認を続ける。
第8話は、社交でつかんだ“つながり”と、予期せぬ逮捕という“断絶”が同じ時間軸で押し寄せる。ロマンスの温度が上がる一方で、海外展開の現実が冷ややかに立ちはだかり、テプンとミソンは仕事と感情の両輪を止めずに走らせるほかない、という結論に至る。ラストは、最小戦力で臨む商談の扉が開くところで幕を下ろし、マジンの帰還と取引の成否が次回への焦点として提示される。
👥 登場人物の動きと関係性
カン・テプン:タイでの商談のフロントに立ち、歌と贈り物で場をつかむ。突発事案(マジン逮捕)発生後も、信用確保と交渉継続の導線を維持。
オ・ミソン:現地対応の司令塔。社交の場に同席しつつ、トラブル発生後は対外折衝の“盾”となる。テプンとの距離感が一段進む。
コ・マジン:出張チームの実務担当。予期せぬ逮捕で一時離脱し、案件全体に緊張をもたらす。
ピョ・ヒョンジュン:背後で圧力の影を落とす存在として存在感を強め、海外案件の不確実性を増幅。
🎯 名シーンと印象的なセリフ
クラブのセレナーデ:ビジネスの“社交”を音楽で担ぐテプンの瞬発力が描かれる。
ブレスレットの贈り物:浮つかせず、実務と心情の両輪で距離を縮める小道具の機能。
逮捕報の瞬間:チームの空気が一変し、ロマンスから一転して“現実”へ引き戻される落差が効果的。
🧭 独自モジュール:特別なシーン解説「クラブ・セレナーデ」の意味
構図と演出:騒がしい音と光の渦の中心に、テプンの歌声を一点で通すことで“誰もが喧噪に埋もれる場で、主導権を取り戻す”というテーマを視覚化。カメラは相手方の表情→ミソンの視線→テプンの手元(マイク/小箱)へと細かく寄せ、ビジネスとロマンスの導線を一つの行為に束ねる。
象徴性:ブレスレットは“信頼の輪”のメタファーとして機能し、社交の場が単なる色物ではなく、交渉の“前哨”であることを示す。贈り物が軽すぎず重すぎない点が、無謀さと誠実さの同居というテプン像を補強。
物語機能:直後の“逮捕報”によって、獲得した空気を維持できるかが試される。セレナーデは一時的な高揚ではなく、非常時に“つながり”を頼る必然の布石として意味を持つ。ロマンスの進展描写を、仕事の成果(信用・ネットワーク)と同軸で描いた設計が秀逸。
🌟 感想・考察
海外展開の“現実”をロマンスの熱量と同じ温度で描いた回でしたね。セレナーデは単なるファンサービスで終わらず、社交=交渉の一部として位置づけられていたのが見どころでした。
また、ブレスレットという小道具の扱いが的確でした。言葉の押し売りではなく、行為で関係を前に進めることで、ミソンの迷いと期待の両方が自然に伝わってきます。
一方で、マジンの逮捕は物語の“実務側”の緊張を立ち上げ、海外案件の不確実性をはっきりと可視化しました。この揺れ幅が、作品全体の呼吸を豊かにしています。
ロマンスが温度を上げながらも、仕事としての均衡を崩さない。そんな二重奏が、このドラマの強みとして確立されてきました。
📂 まとめ
タイ出張は、テプンの社交力とチームの危機管理の“両輪”が試される一手になりました。歌で場をつかみ、贈り物で距離を縮め、そして突発事案に耐える。ビジネスとロマンスが互いを邪魔せず加速させた印象です。
マジンの逮捕は重い一手ですが、ここで得た“つながり”が次回以降の突破口になりそうです。緩急の付け方がうまく、ストーリーはさらに深いレイヤーへ。
視聴率の伸長が示す通り、作品への期待は確実に高まっています。第8話は、海外という新しい盤面で“テプン商事らしさ”を証明した回でした。
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