「誰にも渡さない」——真冬の道路で生地を抱いた一夜、遊び人は“商社マン”になる。
1997年のアジア通貨危機――不況で氷ついた町で、一人の青年が父の会社を背負うことになりました。土日の夜9時10分に放送されるtvNドラマ『テプン商事』は、当たり前のものが失われていく時代に新米商社マンが奮闘する物語です。第3話では、輸入生地の納品危機に直面したカン・テプンが命懸けで会社を守り、オ・ミソンとの距離がぐっと縮まります
あらすじ(ネタバレあり)

第2話のラストでテプンは、取引先テバン繊維が倒産していることを察知し、輸入生地を載せたトラックを止めに走り出した。第3話はその続きから始まる。彼は危険を承知で道路に身を投げ出し、トラックの前に寝転んで納品を阻止する。トラックを止めた後も、真冬の寒空の下で生地を守るため徹夜で見張りを続け、顔に傷を負いながらも「誰にも渡さない」という強い決意を見せた。この行動により、わずかな生地がテプン商事に残り、後に取引を有利に進める伏線となる。
翌日、ミソンが駆けつけると、テプンはボロボロになりながらも生地を抱えていた。彼はこれまで“アックジョンの遊び人”だった過去を捨て、本物の社員として会社の命運を守ろうと決意していることがわかる。「テプンの夜」と呼ばれる過酷なシーンでは、ダウンジャケット一枚で震えながら生地を抱きしめるテプンの覚悟が表現される。
その後、テプンとミソンは残業を続けながら倒産した取引先への対応策を練る。仕事が終わる頃には夜11時を過ぎ、テプンが「11時だ。こんな時間までペンを握ったことないよ」と笑うと、ミソンは「終電」と驚く。帰り道、テプンはミソンを家まで送りながら、「葬儀場ではありがとう。悲しみは克服するものじゃない」と父の葬儀を支えてくれたことに感謝を伝える。ミソンは「社長が亡くなったのも悲しいけれど、私が夢を少し諦めたの」と打ち明け、テプンは彼女の本音を初めて聞く。さらに彼女は「アシスタントじゃなくて、自分の仕事をする会社員が夢だった」と語り、テプンはそっと微笑む。
物語の終盤、テプンはミソンに「商社マンになっていただけませんか?」と提案し、彼女の夢と自分の決意が重なる。この提案は、彼女が退職を考えていた矢先のものであり、二人が共に新しい一歩を踏み出すきっかけとなる。倒産寸前の会社で、二人は互いに支え合う仲間として絆を深め、次回以降の「共助」への期待が高まっていく。
登場人物の動きと関係性
カン・テプン(イ・ジュノ)
父の会社テプン商事を守るため社長に就任し、第3話ではトラックの前に身を投げ出して輸入生地の納品を阻止し、真冬の夜通しで生地を見張り続ける。夜遅くまで残業し、ミソンに感謝を伝えるなど、亡き父の想いと社員の生活を背負う主人公としての覚悟を示す。オ・ミソンに次第に信頼を寄せ、彼女に商社マンになってほしいと提案する。
オ・ミソン(キム・ミンハ)
テプン商事のアルバイト兼アシスタントとして、テプンの無謀な行動を心配しつつも支え、残業を共にする。帰り道に自分の夢や挫折を語り、「アシスタントではなく、自分の仕事をする会社員になりたい」と明かす。第3話ではテプンとの距離が縮まり、彼に励まされつつ自分の夢への一歩を踏み出す。
カン・ジニョン(ソン・ドンイル)
テプンの父で先代社長。第3話ではすでに亡くなっているが、テプンが会社と信念を守ろうと奮闘する動機であり続ける。回想や台詞によって存在感が示され、テプンを後押しする象徴的な存在として描かれる。
ピョ・バクホ(キム・サンホ)
取引先ピョ商船の社長で、倒産寸前のテプン商事に追い打ちをかける立場として、生地を押さえようとする。第3話では直接の登場シーンは多くないが、今後の交渉へつながる敵役として位置づけられる。
名シーン&印象的なセリフ(引用は短く)
- 命懸けのトラック阻止 – テプンが「納品の生地を守るためなら危険も厭わない」とばかりにトラックの前に寝転がるシーンは、第3話を象徴する名場面。真冬の夜にダウンジャケット一枚で生地を抱える彼の姿は、公開されたスチルでも強い決意が伝わってくる。
- 葬儀での感謝 – 残業後の帰り道、テプンはミソンに「葬儀場ではありがとう。悲しみは克服するものじゃない」と感謝を述べる。父の死を受け止めつつ前進しようとする二人の姿が印象的です。
- ミソンの夢の告白 – ミソンが「会社員。アシスタントじゃなくて、自分の仕事をする会社員。サラリーマンみたいな?」と語り、テプンが微笑むシーン。彼女の素直な思いが視聴者の共感を呼びます。
独自モジュール:1997年のIMF危機とテプン商事
韓国経済に大きな衝撃を与えた1997年のアジア通貨危機(IMF危機)では、多くの企業が倒産し、職を失った人々が増えました。『テプン商事』はその混乱期を舞台にしており、第3話でテプンが守った輸入生地はドル不足で貴重な外貨収入源となります。ドラマに描かれる未収リスクや倒産は、当時の中小企業が直面した現実を反映しており、視聴者は物語を通じて過去の経済危機を疑似体験できます。IMF危機後に韓国は大規模な企業改革や構造調整を行い、外貨準備を増やして危機管理体制を整備しました。テプン商事が困難の中で再起を図る姿は、韓国社会が危機を乗り越えた歴史と重なります。
感想・考察
第3話の見どころは、テプンが過去の遊び人生活から脱却し、本物の商社マンとして覚悟を決める過程です。トラックの前に身を投げ出した時点で、彼は父から受け継いだ会社を守るためにすべてを捧げる覚悟ができていました。この行動は、視聴者に「自分ならここまでできるだろうか?」と問いかけてきます。
さらに、テプンとミソンの関係性が一気に近づいた点も注目です。葬儀のお礼や夢の話を通じて2人が心の距離を縮めた様子は、厳しい現実の中でも温かい人間関係が希望となることを示しています。ミソンの「会社員になりたい」という言葉にテプンが微笑む場面では、彼が彼女を仲間として認め、共に会社を立て直していく決意が垣間見えました。
また、ドラマ全体を通して描かれる経済危機のリアルさも印象的です。倒産した取引先への納品リスクや現金決済の難しさなど、第3話の各シーンが今後のビジネスバトルの伏線になっていることが分かります。視聴者としては、テプン商事がこの危機をどのように乗り越え、ピョ商船との交渉をどう展開するのか期待が高まります。
まとめ
“テプンの夜”と呼ばれる過酷な一夜で幕を開け、主人公の覚悟と成長をしっかり見せてくれました。父の葬儀での涙から一転して、トラックを止め生地を守る姿は胸に迫ります。あなたもきっと、テプンの奮闘に勇気づけられたのではないでしょうか。
ミソンとのやり取りも、暗い状況の中で温かい光を投げかけてくれました。終電を逃しながらも語り合うシーンでは、夢を諦めないことの大切さが伝わります。彼女がテプン商事の一員になる決意を固める場面は、次のエピソードへの期待を膨らませます。
今後は、残された生地を使ってピョ商船との交渉に挑む展開や、釜山を舞台にした新たなビジネスチャンスが待っています。第3話はその序章として、会社の再建と2人の成長物語を巧みに描いていました。次回も一緒に応援しましょう。
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