平和を祈る歌が止んだ時、政治は“事件”に変わる。
元国連大使ソ・ムンジュは、夫で大統領候補チャン・ジュニクが銃撃されたその瞬間、謎の男ペク・サンホと出会う。個人的悲劇は、国家規模の陰謀の入り口だった――初回は「会場=教会」「行為=祈り」が破られる象徴的な幕開け。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

夜明け前、ソ・ムンジュは私的な祈りの時間として一人で屋外に出る。周囲の警護強化を勧める助言を退け、静かに日常へ戻るが、彼女は直前に国連関連の要職を離れており、その決断の背景には国内政治の緊張が横たわっていた。
その翌日、ソウルの教会で「平和統一ミサ」が開かれる。ムンジュは与党の有力大統領候補である夫チャン・ジュニクと参列するが、祈りの最中に銃声が響き、ジュニクが致命傷を負う。会場は騒然となり、ムンジュにも銃口が向けられる。
混乱の中、場内に紛れていた謎の男ペク・サンホが介入し、ムンジュは救出される。サンホは事件発生直後の危険区域からムンジュを退避させ、追跡していた武装者を制圧。ムンジュは命の恩人が“素性不明の実務家(特殊要員/傭兵)”であることを知る。
事件は単独犯行として処理されかけるが、現場で拘束された若い兵士が発した「スパイを殺した」という言葉や、教会に残された手掛かりは、国内問題にとどまらない規模の作戦の気配を漂わせる。ムンジュは“夫の死が偶発ではない”との確信を強める。
ムンジュは一人で現場周辺を再訪し、その帰路で身の危険にさらされるが、再びサンホが割って入り、尾行者たちを排除する。互いの立場と能力が露わになり、ムンジュは彼に身辺警護を依頼。サンホは、背後に多国籍レベルの関与が疑われる以上、今後は“情報戦”になると釘を刺す。
ジュニクの死が与える政治的衝撃は瞬く間に拡大し、与党内の次の一手、野党の出方、官僚機構や情報機関の思惑がせめぎ合う。ムンジュは「真相の解明」と「私的な悲嘆の克服」を同時に背負い、サンホと行動を共にする決断を固める。第1話は、個人的悲劇が国家級の陰謀へ接続される導入として幕を閉じる。
👥 登場人物
- ソ・ムンジュ(演:チョン・ジヒョン)…元国連大使。夫の死の真相を自ら追う決意をする。
- ペク・サンホ(演:カン・ドンウォン)…国籍不明の特殊要員。ムンジュを救出し、以後の行動を示唆。
- チャン・ジュニク(演:パク・ヘジュン)…与党の大統領候補。教会での銃撃により死亡。
- イム・オクソン(演:イ・ミスク)…ムンジュの義母。政財界の要。
- チャン・ジュンサン(演:オ・ジョンセ)…ジュニクの弟。検事。家の“次の一手”に意欲を見せる。
- 大統領 チェ・ギョンシン(演:キム・ヘスク)/国家情報院長 ユ・ウンハク(演:ユ・ジェミョン)…“国家側”の視線を象徴する存在として浮上。
🔄 第1話の動きと関係性
- ムンジュ:喪失の直後から“当事者”として現場を再訪。防御から能動へ移行。
- サンホ:救出→撤退の繰り返しで“距離”を保ちながら実務能力を示す。尾行排除で二度目の介入。
- オクソン:葬儀後の会食で影響力を示し、家の結束と主導権を担保しようとする。
- ジュンサン:法と制度を根拠に“後継”を語り、家の力学を揺らす火種に。
- “国家サイド”:教会の銃撃を単独犯で処理する空気が漂うが、背後の影を匂わせる断片が残る。
🎯 名シーン&印象的なセリフ
- 教会の銃声――祈りの空間が崩れる瞬間。群衆の無音化とカット割りで、個人の喪失が“公的な事件”へ変わる。
- 山道での対話――サンホが“依頼”を促す場面(要旨)「理由を知りたいなら、私を雇ってください」。役割関係が一気に立ち上がる。
- 家の会食――涙ではなく手続きが場を支配する。ムンジュは感情を抑え、合理で応じる姿を見せる。
🌟 感想・考察
初回は“儀式が破れる”という強い象徴で、観客を政治スリラーの地平へ押し出しました。教会という守られた場所で銃声が鳴る構図は、物語のテーマ(私的領域と公の権力の衝突)を一瞬で可視化しています。
ムンジュは“静の胆力”で状況を受け止め、悲嘆を駆動力に変える人物として立ち上がりました。ここに“動の実務家”サンホが交差し、決断と実行の二人三脚が成立します。
家のシーンは本作の独自性です。権力の継承を「情」ではなく「制度」で論じさせることで、政治ドラマの骨格を視覚化。ムンジュの戦いが感情の解消ではなく“秩序の再設計”であることを示しました。
銃撃の“単独犯”処理に対し、断片的手掛かりが多層の企図を予告します。謀略の“層”が増えるにつれて、教会・官邸・家という三つの舞台がどのように連動するかが、以降の見どころです。
📂 まとめ
個の喪失と国家の危機を同じカット内に置くことに成功した力強い導入でした。
ムンジュは受け身をやめ、現場へ戻る。サンホは近接戦と情報戦で“距離を保つ味方”として機能する。
家の力学がむき出しになったことで、私的権力と公的権力の境界が曖昧になる危うさが提示されました。
次回以降は、教会で残された断片と“実行系—意思決定層”の接続、そしてサンホの素性の開示タイミングに注目です。
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