壊れる母たち、踊らされる命
第3話では、ついにゲームの裏でうごめく“VIP”たちの存在が表に現れ、運営の歪んだ価値観が露呈します。迷路を超えた先で待つのは、新たなゲーム「大縄跳び」と、命を賭けた究極の選択。そして、クムジャが見せた“母としての最後の決断”が、視聴者の心を強く打ちます。
🎬 あらすじ(ネタバレあり)

ゲーム運営の中心である島に、ついに“VIP”たちが上陸。彼らはピンクガードの衣装をまとい、第4ゲーム「かくれんぼ」で失格となった者たちを処理して回るという、言葉を失うような行動をとります。命を賭けた参加者を“見世物”として扱うその姿は、このゲームが人間性を無視した“娯楽商品”であることを残酷に示している。
一方、ゲームの外では捜査官ジュノが、かつて自分が兄・イノ(フロントマン)に撃たれた島を発見。ゲーム会場が近いと確信し、潜入への準備を始める。
同時に、陸で調査を続けていたチェ・ウソクは、パク船長の自宅に潜入。そこで“スーツの男”(めんこ男/コン・ユ)と船長が一緒に写る写真、そしてピンクガードの衣装を発見し、フロントマン側のスパイであることを確信します。しかしその直後、ウソクは住居侵入で警察に拘束されてしまう。
迷路ゲームを生き延びたクムジャ(149番)は、ゲームの中止と赤ちゃん・ジュニの保護を訴えますが、参加者による投票では続行が決定。誰にも届かなかった叫びを胸に、夜、ギフンに「これまでのことはあなたのせいじゃない。ジュニと赤ちゃんを頼む」と言い残し、翌朝、自ら命を絶つ。
そして第5ゲーム「大縄跳び」が始まる。
👥 登場人物の動きと関係性
- ギフン(456番):ジュニを助けるため、赤ちゃんを抱えて1番最初に橋を渡る。責任と行動が結びついてきた。
- クムジャ(149番):ヨンシクを失った自責の念に苦しみ、参加者に願いを託して自ら命を絶つ。
- ジュノ:ゲーム島の存在を再確認し、潜入へと動き出す。
- ウソク:パク船長がフロントマンの協力者だと突き止めるが、逮捕されてしまう。
- VIPたち:ゲームに介入し、脱落者の“処理”を楽しむ姿が描かれる。
- ミンス・ナムギュ:ミンスがドラッグ入りと偽った容器を橋へ投げ、ナムギュは幻覚と禁断症状で死亡。
- 96番の男:橋を渡り切った後、他の参加者を次々と突き落とし、自分の安全を確保。
🎯 名シーン・印象的なセリフ
「あなたのせいじゃない。ジュニと赤ちゃんを頼む」
クムジャがギフンに託した最後の言葉。母としての愛情と赦し、そして責任の引き継ぎが詰まっています。
「誰か…このゲームを止めて…」
クムジャが会場に訴える場面。彼女の声は誰にも届かず、無情な投票結果がそれを証明してしまいます。
🧩 韓国の文化・ゲーム背景(大縄跳び)
「大縄跳び(줄넘기)」は、韓国でも子どもたちが日常的に楽しむ遊びとして広く知られています。ただし、本作に登場する第5ゲームでは、これを極端にアレンジし、「高所」「鋼鉄製」「制限時間」「落下=失格」といった命に直結する要素が加えられています。
🌟 感想・考察
第3話はシリーズの中でも特に陰鬱な回。VIPの異常行動、運営の冷酷さ、母の自死、薬物依存者の最期…人間性が押し潰されるような描写が続く中で、唯一の救いはギフンの“誰かを守ろうとする行動”でした。
それでも、その行動さえも遮られる過酷なルール。細い橋を渡るシーンでは、希望と絶望が交錯し、観ている側の心も揺さぶられます。「人はどこまで壊れるのか」「それでも希望を持てるのか」という問いが突きつけられる回でした。
📂 まとめ
VIPの到着とクムジャの最後、そして第5ゲーム「大縄跳び」の開始。全体に重苦しい空気が支配する中でも、ギフンが見せた行動に一筋の光が射します。破壊されていく人間性の中で、わずかに残る希望をどうつないでいくのか──物語はさらなる展開へ。
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